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ペダリング修正トレーニングギアについて

自転車を早く走らせるた為には、何が必要か? ペダリング スキル 修正 技術 矯正

 私はずっと考えさせられてきた。私が27歳のとき世界スプリント10連覇の偉業を達成した中野浩一さんとの合宿が始まりだった。それから、中野さんが引退するまでの6年間、本当に勉強になった。私も当時、相当練習には自信があった。しかし、それ以上のトップスピードとスピードの持久力を持っていたのが中野さんだった。

俺と何が違うのか?

 まず足の大腿部の太さ、背筋の厚みに着眼した。そして、アメリカ帰りのトレーナーに付いて本格的にウエイトトレーニングを始めた。体格も2回りほど大きくなり、大腿の太さも背筋の厚みも中野さんと同等と言えるところまで発達した。そして、競輪学校のぺダルに掛かるトルクをベクトルで現せるエルゴメーターでの測定では、最大に力を発揮した時のベクトルでは、中野さんを越す数値を示すようになった。 「これは、パワーでは、中野さんに負けなくなった」と思った。しかし、スピードの持久力では、大きく下回り、ぺダルに加えた仕事量の割には、同じ時間内(30秒間)での走行距離は大きく下回った。これは、何が違うのか?また真剣に考えさせられた。そのとき、競輪学校校医の寺門先生のアドバイスでペダルに有効に力を加える技術の差だということが判明した。(右図参照)

経過時間:9.42sec
氏名:中野浩一
速度:62.3km/h

経過時間:9.42sec
氏名:松本整
速度:62.6km/h

ペダルに有効に力を加えるとはどういうことか?

 ペダルに有効に力を加えるとは、物理的、科学的にどういう事か説明して行こう。先にも述べた様に、力を加える目的はクランクを回転させるためです。そのためには、クランクに対して90度の方向で力を加える事が、最も有効です。下の図に有るように、軸に対して30度方向がずれると13%、60度ずれると50%もの力が、回転するために使われずに無駄になってしまいます。(下記参照)

左図ではF1×L1、F2×L2…がトルク。F1~F4の大きさが一定なら、レバー・アームの最も長いF3、L3のトルクが最大である。
L3に対するL1、L2、L4の比は、
L1=L3cos60°=0.5L3…※
L2=L3cos30°=0.87L3…※
L4=L3cos30°=0.87L3…※
【※が、トルクの大きさの比】

F1~F4kの方向が30°ずつずれたとすると、有効なトルクは
F1・L1…50%
F2・L2…87%
F3・L3…100%
F4・L4…87%

※「スポーツ・バイオメカニクス入門」金子公宥著より抜粋

 それでは、実際のペダリングの動作で常に(クランク1回転の全てに動作で)クランクに対して90度の方向で力を加えることが可能かということに対して説明します。非常にゆっくりとした動作または、ごく小さい力(実験では10~30Nm程度)でならこの動作も可能です。またある程度速くても、負荷が非常に小さい場合もなんとか可能です。しかし、実走に近い負荷が掛かりスピーディな回転が必要な場合は非常に困難な動作といえます。そのうえ、同一の筋の緊張時間が長くなるための血流の制限、有効ポイント(上死点から90度のポイント)でのトルクの減少などのデメリットが生じることからも現実には、人間が行う動作としては有効な方法とはいえません。

 また、私や中野浩一氏を始め多くのペダリング時の力と方向をベクトルで現すグラフを見てきましたが、そういう動作で有効に力を発揮できた例はありませんでした。俗に言う引き上げ動作も一見有効な力を発揮しているように感じますが、最も有効なポイント(上死点から90度のポイント)での踏み遅れや下死点付近での無効な力の増大を生み結果としてマイナスに作用することがほとんどです。
 この下死点(上死点を0度とした時の180度のポイント)付近での踏み込みはクランクの回転にはまったくプラスにならないどころか逆に回転にブレーキを掛ける力になりスピードが上がらない上に大きくスタミナを奪う原因となり最も避けたい動作です。

経過時間:5.59sec
氏名:中野浩一
速度:51.6km/h

経過時間:5.52sec
氏名:松本整
速度:51.0km/h

最もクランクを回転させるのに有効で、しかも重力という地上の全ての物に働く力まで効果的に使え、その上、股関節及び膝関節の伸展という人間が発揮できる最大の力を有効に使えるポイントは、クランクが地面に水平(上死点から90度)のポイントです。
この位置にクランクが来たときに最も大きな力を発揮し上死点、下死点にクランクが来たときに動作の切り替えを行い無駄な力を出さない事が力学的にも人間の動作の上でも最も効果的な方法です。(上図参照)

次の図は順天堂大学の運動生理学研究室で行った実験で、ドイツ製のSRMトレーニングシステムを使用して測定したものです。

上の図は熟練者と未熟者のペダリング時のトルク曲線の比較をしたもので、熟練者に比べて未熟者の踏み込むタイミングが遅く(90度のポイントでトルクのピークが来ていない)下死点での動作の切り替えしと踏み止めるタイミングの遅れもはっきり分かります。(180度のポイントにトルク曲線の谷が来ていない)

 下の図は、『ジニアスフィーリング』を着装した自転車で10分間のローラー練習をした後とトレーニング前の比較です。

 明らかに、トルク曲線のピークが早くなり又切り替え動作も早いタイミングとなり有効なポイントの出力も増しています。そして次の図が130回転/分での普通のギアと『ジニアスフィーリング』を装着したときのトルク曲線の比較です。

 速い回転になるほど現れやすくなる踏み込みや踏み止め及び動作の切り替えの遅れが『ジニアスフィーリング』を装着すると改善され有効なポイント(90度付近)でのトルクの増加と下死点付近の動作の切り替えしと踏み止めのタイミングの適正化が明らかに見て取れます。

 ペダリングは、自分のパワーを自転車に伝達するという最も重要度の高い大切な技術です。
しかしながら今まで、自分で意識するという程度で、特に有効なトレーニング方法がありませんでした。
「ジニアスフィーリング」は、あらゆる速度域で、常に有効なペダリング技術を習得することを目的に開発されたペダリング矯正トレーニングギアです。

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